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ブルーオーシャンと隙間市場

最近のビジネス本を開けば、必ずと言っていいほど「ブルー・オーシャン」という言葉が目に付きます。文字面だけ見ると、ハワイや沖縄のビーチのような、美しい光景が思い浮かぶのではないでしょうか。

そのようなイメージから、「ブルー・オーシャン」というと「誰も手をつけていない未開の市場」という意味で、経営学用語として用いられています。

逆に「レッド・オーシャン」という言葉もあって、「みんなが争いあっている血みどろの市場」という意味で用いられます。

 

「ブルー・オーシャン」は「誰も手をつけていない未開の市場」であると説明しましたが、そのような意味の経済用語が沢山あるのです。

例えば、隙間市場(ニッチ市場)なんかはその一つです。隙間市場というのは「とある理由で誰も手をつけなかった市場」のことです。例は良くないかもしれないですが、青年誌LOは漫画業界の中でも、ロリコンに特化した市場で収益を上げています。これは、ジャンプや快楽天が手をつけなかった、ロリコン市場という隙間市場を狙った漫画商品なのです。

しかし、一般的に隙間市場はブルーオーシャンとは呼びません。隙間市場というのは、「レッド・オーシャン」の一部にあるオアシスにすぎないのです。当然、収益は少ないし、目立った収益があれば、他の企業に模倣されてしまします。

次に海外市場は「ブルー・オーシャン」であるか考えます。メガネ屋のOWNDAYSはシンガポールに店舗を出店し、商品の価格やサービスが現地で評価され、大成功を収めました。OWNDAYSは日本では中堅レベルのメガネ屋で、サービスや商品もずば抜けているわけではありません。しかし、シンガポールでは日本のようにメガネ業界が発達しておらず、「誰も手をつけていない市場」があったため、OWNDAYSは真っ先にその恩恵を受けることができたのです。

しかし、海外市場もブルーオーシャンではありません。なぜならば、海外進出はレッドオーシャンを生み出す行為だからです。海外進出はわかりやすく言うと、メダカが悠々と泳いでいる水槽にザリガニを入れるような行為です。たちまちメダカは逃げ回り殺され、結果的に血みどろの水槽が完成します。また、利得を独り占めしているザリガニの噂を聞きつけ、ほかのザリガニも水槽に参入します。

 

それでは、本当のブルーオーシャンとは何でしょうか。

ブルーオーシャンとは「誰も手をつけていない市場」を「発見」したものではなく、「創造」したものであることが重要なのです。

つまり、今までの当たり前を覆すようなイノベーションが必要なのです。

医療器具であり、視力の悪い人にしか売れなかったメガネが、ファッション性に注目するという発想によって、視力のいい人に売れるようになった。このように、特定の人にしか売れなかった製品の市場を広げることが、ブルー・オーシャン戦略であり、その新たな市場がブルー・オーシャンなのです。

 

ブルー・オーシャン戦略から来ている言葉が「ブルー・オーシャン」ですので、「誰も手をつけていない市場」というだけで用いるのはどこか違和感を感じます。